世界のカーペット

「カーペットに関する知識を、ちょっとだけ、僕と一緒に深めてみよう!」
今、あなたの足元にはどのようなカーペットが敷いてありますか?
世界中で作られているカーペットは、地域の生活様式や技術によって、使用用途もデザインも異なります。

イランのカーペット

高級絨毯といえば?と聞かれて、ペルシャ絨毯を思い浮かべる人が多いと思います。
高級絨毯の代名詞とも呼ばれるペルシャ絨毯は、イラン産の手織り絨毯のことを言います。
このペルシャ絨毯は、15世紀から16世紀サファービー朝時代に全盛期を迎えました。
非常に技巧的な模様を数多く生み出し、宮廷で使用されるものから遊牧民が使うものまで様々なスタイルが発展しました。優れた宮廷画家が下絵を描くことが少なくなく、人物や鳥獣などの叙情的な自然の描写のような柔らかな曲線で、極めて細かく、具象的なデザインが特色でした。
しかし18世紀に入り、戦争やアフガン侵攻などにより、カーペットの文化は疲弊してしまいます。
19世紀になるとカーペットの文化も復興し、現在に至ってます。

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トルコのカーペット

トルコはアジアとヨーロッパの中間に位置し、東西の文化の交流から優れたカーペットが生み出されました。
トルコの絨毯はペルシャ絨毯の影響を受けながら発達し、オスマン・トルコ時代になると、王侯貴族の保護を受ける一方で、ヨーロッパの需要により飛躍的な発展を遂げました。
幾何学模様から花や植物、動物、円形模様等の大胆なデザインが多く、色調も明るく、緑・紫・オレンジ色などの非常に濃い色が好まれました。
またトルコ絨毯の特徴として、結び目を二つ作る「ダブル・ノット」という二重結びで織られており、その強度と耐久性は最良と呼ばれ、美しい絵柄が損なわれることはありません。
トルコ絨毯の中でも最高品質といわれる、とても細かいシルク絨毯のことをヘレケと呼びます。

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カフカス(コーカサス)のカーペット

カフカス地方は、現在のロシア、カスピ海と黒海の中間にあり、「言語の森」「言語の山」「文化の吹き溜まり」と呼ばれるような、実に多様な民族・文化が錯綜した地域です。
16世紀、イランのサファービー朝の影響により、カーペットの文化が花開いたとされています。
この地方は孤立した山岳地帯で、外部からの影響を受けることなく伝統が受け継がれてきた事から、19世紀までは、模様で産地を特定できるほど特徴がはっきりしていました。
地域差だけでなく、キリスト教、イスラム教といった宗教の違いでも模様が異なっていました。
鮮やかで多彩な色調に、花や動物、時には動物同士・動物と人の戦いを描いた絵画的なものや、
幾何学模様を中心とする大胆なデザインが考案されました。

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モンゴルのカーペット

現在は「新疆ウィグル自治区」と呼ばれており、ユーラシア大陸のど真ん中、周囲を四、五千メートル級の山々に囲まれています。
ここはシルクロードの東西を結ぶ地点で、シルクロードの交易、文化の十字路として多くの文化が交わり、素晴らしいデザインのカーペットを生み出しました。
ウィグル独特の民族柄もありますが、この地方はシルクロードの交易、文化の十字路のため、デザインのバリエーションがとても豊富です。
西洋的なデザインや、ペルシャ・インドの花や幾何学模様、中国的な格子紋や雲帯など、
多種多様な模様が混じりあった、独特のデザインの絨毯が残されています。

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インドのカーペット

この地域で手織り絨毯が作られるようになったのは、イスラム教国家のムガール朝時代のことです。
ムガール朝最大の皇帝アクバルから、それにつながるシャー・ジャハーンに至る100年間がその最興隆期になります。 周辺地域の優れた工芸士が呼び、カーペットを作らせたそうです。
ムガール宮殿のデザイナーたちは当初のスタイルから、次第に独自のスタイルを作るようになり、緻密な織り目のカーペットを作り出しました。
またパキスタン絨毯の特徴は、ゾウの足跡に似ている『ボハラ柄』と呼ばれる幾何学模様の連続柄が最もポピュラーで、イスラム圏ではゾウは神聖な生き物とされ、幸せが来ると信じられているため、ボハラ柄のラグの生産がよくされます。

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エジプトのカーペット

エジプトでカーペットが作られ始めたのは15世紀後半頃です。
オスマン・トルコのマルムーク期の影響下で、トルコの様式のカーペットが作られました。

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中央アジアのカーペット

西はカスピ海、東は天山山脈とパミール高原に挟まれた地域を中央アジアと言います。
アフガニスタンやトルクメニスタンなどでは、トルクメン族・カラカルパック族がカーペット文化を担いました。

この地域では「ギュル」と呼ばれる連続した幾何学模様を配したカーペットが生み出されました。

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日本のカーペット

日本のカーペット文化は、奈良時代に仏教の伝来とともにシルクロードを渡ってやってきました。
パイルのあるカーペットが作られるようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。
九州の鍋島椴通が日本における椴通の生産の始まりと言われていて、 その後、兵庫県の赤穂、大阪の堺、山形など各地に広がり、牡丹や亀甲、雲竜など日本独特のスタイルやデザインが生み出されました。

ちなみに椴通という名前は、 中国語でカーペットを表す「タンツ」に由来しているといわれています。

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中国のカーペット

中国椴通は花柄が多く、柄に合わせて毛足の長さを立体的にカットする、独特の浮き彫りの技法で文様を浮き上がらせる「カービング加工」が用いられています。

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イギリスのカーペット

イギリスではパイル絨毯が多く作られました。
古いもので16世紀頃作られた、「ノリッジ絨毯」と呼ばれているものが14枚現存しています。
これらはアナトリア・インド・ペルシャの文様や、エリザベス朝のブドウの樹や花などあしらわれ、文化の伝播を物語っています。
やがて古典・新古典主義のデザイナーによって、カーペットのデザインも変化をしていき、産業革命においては敷物・カーペットの一大生産国としてその名をとどろかせました。

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フランスのカーペット

フランスは17世紀初頭に、アンリ4世によってトルコ式の絨毯の生産が開始されました。
この生産場所はパリのすぐ西のショイヨに移動されました。
ルイ13世、ルイ14世になり、神話を題材にしたものや、ロココ様式やバラの花・貝をかたどった優美なデザインのカーペットが数多く生産されました。
それらの多くは、皇帝や貴族の権力のシンボルとして豪奢な装飾で彩られました。

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スペインのカーペット

スペインは、10世紀に絨毯の生産がはじまったとされており、ヨーロッパの中で最も早く生まれました。
15世紀以降も絨毯の生産は続き、スペインの征服と大航海時代、16世紀のルネッサンス期の文化再興によって、綿・絹など様々な材質や文様の絨毯が生まれました。
スペインのカーペットの一般的なモチーフは、 初期のムーア風装飾と、ルネッサンス期の輪とザクロのモチーフです。

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スカンジナビアのカーペット

スカンジナビアとは、デンマーク,スウェーデン、ノルウェーのことを言います。
スカンジナビアには「rya」という手で結ばれた羊毛から作られる伝統的な絨毯があります。
初期のリーヤは15世紀頃、漁師が毛皮の代わりに使用しており、 粗く、長い毛を持ち、重いものだったそうです。
敷物としては、より軽く装飾的になり、 19世紀においては、祝祭における優れた壁掛けとなりました。

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